防衛省−文民統制、情報管理はどこいった??
日頃、文民統制の重要性をかまびすしく唱えている朝日をしてこの記事である。
倒閣運動のためなら、「反乱将校」の手の平で踊るのも厭わないらしい。イヤー恐れ入った。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170730-00000022-sasahi-pol
https://dot.asahi.com/wa/2017073000022.html「司法試験に合格した?」と驕る稲田朋美氏 陸自“2.15クーデター”で撃沈〈週刊朝日〉
8/1(火) 7:00配信
最後の辞任会見でも稲田氏は本誌が指摘した「まつエク」でのぞんだ? (C)朝日新聞社
おめめパッチリの「まつエク」効果とは裏腹に疑惑はまったく晴れず、視界不良のまま稲田朋美氏は防衛相をあえなく辞任した。
南スーダンPKO派遣部隊の日報が隠蔽された問題で、省内では“2.15クーデター”が勃発。次々に内部文書、情報が漏えいした。
そして日報の電子データが陸自に保管されていたことを隠蔽(非公表)した経緯に、稲田氏自身が関与したか、が最大の焦点となった。
「更迭すれば、クーデターを許すことになると安倍さんは『文民統制の観点から許せない』と稲田をかばい続け、8月3日の内閣改造で交代する形にしようとしていた。だが、さすがにかばいきれないと判断した」(官邸関係者)
防衛省幹部がこう言う。
「自業自得ですよ。弁護士であることが自慢の稲田氏は、大臣レクでもすぐに『これ、法的根拠あるのか?』と問い詰めてくる。職員がすぐに返答できないと『あなた司法試験に合格したの? してないでしょう』と畳みかけるのがパターンです。これでは嫌われ、人心が離れますよ」
稲田氏はいつも秘書に六法全書を持ち歩かせていたという。
防衛相の直轄組織である防衛監察本部が行う特別防衛監察は当初、指揮官である稲田氏に対する調査は対象外だった。
「稲田氏は、省内でわれわれには厳しくすると言わんばかりの発言や態度を繰り返していた。確かに日報を隠したのは陸自の失態だが、これまで数々の失言からどれほど守ってやったのかと不満が募っていた」(同前)
昨年7月の日報に書かれていた南スーダンの首都ジュバで起きた「戦闘」を、稲田氏は国会で「武力衝突」と言い換えて答弁し、野党の集中砲火を浴びた。防衛官僚としては、苦境に陥った稲田氏を必死に支えてきたという思いがある。
しかし、日ごろの稲田氏の振る舞いは、そんな彼らの自尊心をいたく傷つけるものだったという。
ジブチ訪問時、ド派手なサングラスにリゾートルックで現れても、ハイヒールで護衛艦内を闊歩しても自衛官たちは稲田氏をサポートしてきた。だが、今回ばかりは反乱の狼煙を上げた。
「特別防衛監察の知恵を出したのは安倍、菅両氏の信頼が厚い黒江哲郎事務次官でした。黒江氏は当初、菅、稲田両氏に相談しながら監察を進めた。日報隠しの責任について稲田氏と防衛省の内部部局は不問にし、すべて陸自に押しつけるというシナリオだったそうですが、これに反発した若手幹部たちがメディアにリークし始めたといいます」(防衛省関係者)
2月15日に開かれた幹部会議で、稲田氏は黒江事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長らと対応を協議。稲田氏が日報の電子データ保管の事実を非公表とすることを「了承」したことが7月19日、一斉にメディアで報じられた。
稲田氏は「そうした事実はない」と否定し、火消しに躍起になると、今度は幹部会議の議事メモが暴露された。
「2佐、3佐の若手“反乱将校”たちが情報戦を仕掛けたと言われています。これに陸自OBも結束して応援した。閉会中審査(24、25日)直前というタイミングも巧妙だった。岡部陸幕長はすでに辞意を固めていましたが、一連の報道によって、もはや稲田氏辞任の流れも止めようがなくなったのです」(同前)
陸自の若手幹部が守ろうとしたのは陸幕の“威信”ばかりではない。自衛隊員の生命が軽視されたことへの抗議もあるという。元陸自衛生官で「TACMEDA協議会」理事長の照井資規氏がこう語る。
「南スーダンで昨年7月に起きた戦闘は、国連が『ジュバ・クライシス』と呼ぶほど激しかった。ところが稲田氏は『武力衝突』と言い換え、安全だと言い張った。『駆けつけ警護』など新任務の付与ばかり念頭にした安倍政権は隊員の命を守らず、政治の道具にされたという認識があります」
お気に入りの稲田氏に対し、帝王学でも授けるかのように防衛大臣に任命した安倍首相の責任は重い。日報問題の真相解明にも消極的で、陸自に電子データの存在が明らかになった3月から4カ月も経つのに、稲田氏に報告すら求めなかった。この問題を25日の予算委員会の閉会中審査で追及した小池晃参議院議員(共産)が指摘する。
「説明責任を逃れるための辞任であり、疑惑はますます深まった。いまだに安倍首相が日報問題について報告を受けていないという答弁は衝撃的でした」
一方で、稲田氏の資質とは別に防衛省・自衛隊の「隠蔽体質」が今回の大混乱を招いたという批判もある。軍事ジャーナリストの清谷信一氏が指摘する。
「作戦中の日報を廃棄するなんてあり得ない。日報はPKOの基本的な活動の情報であり、次の派遣で作戦を立てるための基礎的な資料になります。自衛隊は情報開示に消極的なのです」
(本誌・亀井洋志)
※週刊朝日 2017年8月11日号
閉会中審査=南スーダンPKO日報、加計学園獣医学部新設
森友学園問題以来、ひたすらスキャンダル追及なのだが、北朝鮮が新型長距離弾道ミサイルの発射実験に成功した直後なのだから、防衛省幹部も読んでその問題もやれば、少しは野党の存在価値も増すだろうにねぇ。北のほうがはるかに国家の一大事なのに。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072200409&g=pol
「日報」「加計」24日論戦=安倍首相出席で衆院予算委
衆院は24日、参院は25日、それぞれ安倍晋三首相も出席して予算委員会の閉会中審査を行う。野党は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する陸上自衛隊の「日報隠し」問題で、関与が疑われている稲田朋美防衛相を徹底追及する。また、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐって、国家戦略特区担当の山本幸三地方創生担当相が新設方針を事前に関係者に伝えた疑いが浮上。「加計ありき」を否定してきた山本氏の国会答弁との整合性が問われることになる。
首相は、説明責任を果たす姿勢を示して内閣支持率下落に歯止めをかけたい考え。だが、加計、日報両問題をめぐる混乱は拡大しており、首相の思惑通りに運ぶかは不透明だ。
PKOの日報問題では、陸自が廃棄したとしながら保管していた事実を公表しない決定を、稲田氏も了承したとの疑いが浮上している。廃棄されたはずの電子データの保管が判明したのは1月。政府関係者によると、稲田氏には2月中旬に報告が上がったとされる。
稲田氏は2月15日に岡部俊哉陸上幕僚長らとの会議に臨んだことは認めたものの、報告を受けたことは否定。21日の記者会見でも「非公表や隠蔽(いんぺい)を了承するということはあり得ない」と強調し、防衛監察本部による同日の聴取にも同様に主張した。
民進党など野党は、関与を否定し続けてきた稲田氏の国会答弁が「虚偽」に当たると批判。閉会中審査では、稲田氏を追及するのに加え、首相にも稲田氏の即時罷免を要求する方針だ。
一方、加計問題では、学園に新設の認可が下りる2カ月前の昨年11月、山本氏が日本獣医師会の幹部と会い、四国設置の方針に言及したとする同会作成の記録が表面化。山本氏は「相手側の思い込み」と否定しているが、内閣府側に反証記録はない。審査には同会関係者も出席する予定で、両者の主張がぶつかり合うとみられる。
加計問題を「告発」した前川喜平前文部科学事務次官が「キーパーソン」と指摘する和泉洋人首相補佐官による初の国会証言も焦点だ。前川氏は、昨年面会した和泉氏から「首相は自分の口からは言えないから、私が言う」と、学部新設へ速やかな対応を求められたと主張。和泉氏は「発言した記憶はない」としており、どちらの証言により説得力があるかがポイントとなる。(2017/07/22-15:33)
<電通新入社員過労自殺>電通の略式起訴は「不相当」正式裁判を決定 東京簡裁 -違法残業事件
略式起訴と聞いたときは、「検察はいかにも誤魔化したな」と思っていたが…
あまり好きな言葉ではないが、これこそ「司法は生きていた」だろう。
どんな国も裁判所がキチンとしていれば、ある程度の暴走は防げる。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170712/k10011055851000.html
電通の略式起訴は「不相当」正式裁判を決定 東京簡裁
7月12日 17時57分
大手広告会社「電通」をめぐる違法残業事件で、労働基準法違反の罪で法人としての電通が略式起訴されたことに対して、東京簡易裁判所は、略式での手続きはふさわしくないとして、正式な裁判を開くことを決めました。こうした対応は異例で、働き方改革の議論に大きな影響を与えた事件は今後、公開の法廷で審理されることになります。
電通をめぐっては、おととし新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺し、東京地方検察庁は高橋さんを含む複数の社員に違法な長時間労働をさせていたとして、今月5日、法人としての電通を労働基準法違反の罪で略式起訴し罰金刑を求めていました。
これに対して、東京簡易裁判所は、書類で審理を進める略式の手続きはふさわしくないとして、公開の法廷で正式な裁判を開くことを決めました。略式起訴された事件のほとんどは、簡易裁判所が罰金の支払いを命じる略式命令を出して手続きが終わるため、こうした対応は異例ですが、最近では、違法な残業をさせた罪で略式起訴された外食チェーンなど2つのケースで裁判所が正式な裁判を開いています。
今回の判断によって働き方改革の議論に大きな影響を与えた電通をめぐる事件は今後、公開の法廷で審理されることになります。
(抜粋)
前川・前事務次官以外の参考人の国会発言を報道しない自由
今回の国会の閉会中審査には、参考人として、前川喜平・前文部科学事務次官とともに、原英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員(元通商産業省)、加戸守行・前愛媛県知事(元文部省官房長)もよばれた。
しかし、原氏、加戸氏の国会発言については、ほとんど取り上げないテレビ番組、新聞も多い。
フジテレビ番組で司会者が「この問題について話す人は、目の前にある材料というよりも、安倍総理が好きか嫌いかだけでポジションを取っているような...」と発言したとか。極めて正鵠を射ている。
また、前川氏の国会での受け答えから、一連の文部科学省内部文書の流出に、前川氏本人が関与していることが強く推測される(以前から指摘されていたことではある)。この点、記者会見を開いて「文書は本物」と主張したことは、茶番劇の疑いが濃くなった(この受け答えはNHKでは報道された)。
続きを読むhttps://www.j-cast.com/2017/07/11302992.html?p=all
加計問題、なぜか報道されない「当事者」前愛媛県知事の発言全容
2017/7/11 19:42
2017年7月10日に行われた学校法人「加計学園」をめぐる閉会中審査で、インターネット上の注目を集めたのは、一連の疑惑を告発した前川喜平・前文科次官の発言ではなく、愛媛県今治市への獣医学部誘致を進めた加戸守行・前愛媛県知事の約20分間にわたる訴えだった。
前川氏の「行政がゆがめられた」発言に対し、加戸氏は「岩盤規制に国家戦略特区が穴を開け、『ゆがめられた行政が正された』というのが正しい」と反論。さらには、今回の加計問題を報じるメディアへの批判も展開するなど、踏み込んだ発言の内容が賛否を広げている。
デモ参加者数とテレビ報道
日本においても他の民主主義国同様、種々のデモンストレーションが行われているが、街頭デモの場合、その人数については「主催者発表」の数字が多くの場合水増しされていることは周知の事実である。そもそも主催者に集計能力があるのか疑問であり、警備する側の「警察発表」の数字のほうが実態に近いと思われることは、過去のデモの写真や映像を検証すれば明らかである(「主催者発表」は「警察発表」の3倍程度のケースが多く、目に余る場合もある)。
しかし、日本の報道では、デモ参加者数は、明らかに水増しされた「主催者発表」の数字のみが取り上げられることも多い。
(例)NHK
市民グループが××で集会を開き、主催者の発表でおよそ****人が集まりました。
(参考)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011054281000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_009
などと伝えている。
これは率直に言って、放送法違反であろう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html
放送法
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
三 報道は事実をまげないですること。
明らかに水増しされた数字に無条件で「集まりました」と断定形で書くのは、「事実」に反している。報道機関ならば、自ら集計・推計すべきであり、それができないのなら、少なくとも次のように書くべきであろう。
市民グループが××で集会を開き、主催者は****人が集まったと発表しました。
これなら事実に反しているとは言えない。
昨年のアメリカ大統領選挙でも、共和党・トランプ候補の集会と、民主党・ヒラリー・クリントン候補の集会では、会場の熱気のみならず、聴衆の人数にも大きく差があることは一目瞭然なのにもかかわらず、メディアが人が密集しているステージ前のみを切り取った写真や映像を流していることが話題になった。
しばしば揶揄される報道の自由ならぬ「報道しない自由」である。
今回の東京都議会議員選挙でも、一部テレビでは、聴衆の一部が演説を妨害したことよりも、演説者がそれに反応したことのほうが批判的に報じられている。これが左右逆の立場だったらどうだろうか。聴衆の側を、狭量だとか、反知性などと叩いていたのではなかろうか。
ついでに放送法4条の残りの項もあげておく。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
今回の組織犯罪処罰法改正案(テロ等準備罪(一部メディアは「共謀罪」と呼称)新設)では、「政治的に公平」で「できるだけ多くの角度から」報じられただろうか。賛成意見がほとんど報じられず、反対意見に偏重しているテレビ局があったことは明らかである。
特に、テレビ・ラジオは国民の財産である限られた電波をつかって放送している。その分放送法という縛りがある。
無責任に一方の主張のみを垂れ流すことは許されない。それこそおごり・高ぶりだ。
また、新聞も正確性を旨とする以上、事実に基づかなければ木鐸の名に値しない。
NHKの報道
基本的にNHKはテレビ局の中でも公平に報道しているほうだと思うが、前回の記事の「デモ参加者の主催者発表」の点はいつも気になっていた。
NHKは、国会の与野党の日程闘争や党内の権力闘争なども、ニュース原稿では表面的にしか報じない(本音と建前なら、建前のほうを重視する)ので、しばしばつまらないと言われる。一番よく見られているニュース7で解説委員が登場しないのはやや不満だが、登場してもおのずから限界がある。こちらもそれは半分仕方ないとあきらめている。
(まさか、NHKで「この法案は与党多数なのでどうせ成立するでしょうが、野党も反対の姿勢を見せておかないとメンツが立たないのです」とは言えまい)
しかし、テレビ中継される委員会がどんどんワイドショー化していくのを見ると、幼稚だと感じるし、視聴者もそれに気づいてきているだろう。テレビ中継されない委員会もインターネット中継・録画配信はされているが、極めて地味なもので、与野党とも淡々と議事が進行している。そもそも記者は地味なものに関心がないのだろう(特にテレビ)。
民放でも、東京のテレビキー局は建前重視の傾向にあり、ローカル枠では原稿や進行もガチガチに決まっているわけではなく、自由にやっているように見受けられる。
また、NHKは、一度作ったフレーズを使いまわす傾向にある。これにミスリードが多い。
例えば、2015年成立の安保法制については、
・戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる安全保障法制の関連法案
・集団的自衛権の行使は、自分の国が攻撃されていなくても同盟国などへの攻撃に対して反撃することで、歴代内閣はこれまで憲法9条の下、行使は許されないとしてきました
・集団的自衛権を巡っては、歴代の内閣法制局長官らの答弁の積み重ねなどを通じて、行使は認められないという憲法解釈が確立してきましたが…
といったフレーズだが、いくつもの重要な点を省いている。
まず、「戦後日本の安全保障政策の大きな転換」は、戦後日本国憲法施行後、朝鮮戦争のあおりを受けて、1950年GHQの命令で警察予備隊(のちの保安隊→自衛隊)が創設されたことがもっとも大きいものであろう。それまで実力組織は旧日本軍が解体された後、進駐軍しかいなかった。
ついで1960年の日米安保条約改定である。当時猛反対にあい、現在では高く評価されているが、それまでの属国的な地位が大きく改められ、双務的な条約になり、米軍による日本の防衛義務も課された。
また1992年のPKO協力法も「海外派兵」などと相当な反対にあったが、現在ではPKO派遣自体に反対する人は少数である。
これらに比べれば、集団的自衛権の限定行使容認は「大きな転換」というより、「政策の修正」といったほうが適切だろう。むしろ、新憲法のもと教条的に一切認めないとしてきたことのほうが現実と乖離し、不備だった。
といったフレーズである。
これは、不親切な言い回しであって、かつての共謀罪からどこをどう改めたのか説明してもらわないとわからない。つまり「共謀」だけでは足りずメンバーの「実行準備行為」(ナイフを買った、航空機のチケットを手配した など)をもって初めて処罰の対象にすることを伝えるべきだろう。また、組織犯罪処罰法の改正案であることも最初に明示すべきと思われる。