民主党の海江田万里代表、枝野幸男氏を新幹事長に起用


http://www.dpj.or.jp/article/104907/
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/114308

民主党海江田万里代表は、執行部人事を行い、枝野幸男氏を幹事長に起用した。

朝日新聞は、この人が経済産業大臣に就いた時、「経済成長を目指さない、初の経産大臣」とはしゃいでいたが、今回の人事について編集委員・前田直人氏の記事。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11361414.html
(政治断簡)民主党らしさ、取り戻すとき 編集委員・前田直人
 秋の臨時国会スタートを前に、野党第1党の民主党が新役員人事を決めた。目を引いたのはやはり、海江田万里代表(65)が「次の世代へのバトンタッチ」として起用した枝野幸男幹事長(50)だ。
 東日本大震災発生時の官房長官知名度は高いし、弁も立つ。
(2014.09.21付 朝日新聞朝刊より。続きは記事で)

この人は毎回、このコラムの中で民主党応援団のような記事を書いているが、二度の国政選挙を経て今なお立ち直れない民主党の病根がここにあることに気づかない。

枝野氏と革マル派(極左暴力集団)の関係や、朝日新聞の話は他に譲るとして、政策について。
枝野氏の経済政策は二度の国政選挙で完全に国民から否定されているのだ。
「経済成長を目指さない」というのはあり得ない、という合意は既にできている。

2012年12月の衆院選で、安倍総裁の金融緩和積極姿勢は、政権奪取前から円高是正・株価上昇を招いた。これは間違いなく自民党議席数を増やしただろう。3年間の失政という敵失以上に圧勝したのはこのためだ。維新の会やみんなの党も金融緩和に積極姿勢を示していた。ただ一人負けたのは、政権にいながら経済成長を導けなかった、財政タカ派、消費増税を決めた民主党への失望だ。

アベノミクスは三本の矢によって経済成長を目指す。金融緩和で超円高を是正しカネの循環を目指す、財政出動でそれを後押しする。もって緩やかな物価上昇、雇用情勢の改善、賃上げを目指す。これらは大きな政府のきらいがある。うまくいく保証もない。国債が暴落するという人もいる。しかし、20年間のデフレから脱却するにはこの道しかない。そう国民が思ったから、勝ったのではないのか。

参院選では自民党とともに共産党議席数を伸ばした。真逆に見えるこの2党に共通するのは、賃金の上昇を強く訴えていたことだった。「これ以上の低賃金には耐えられない」という切実な声が両党の躍進を生んだと言える。民主党が支持基盤にする労組が全く出来なかったことを、資本家側のはずの自民党がやってくれた。これらは、民主党は経済を成長させられず、自民党は成長によって会社を儲からせた、この一点に尽きる。

(ここで、3本目の矢である成長戦略と消費税増税に触れなかったのは、これらが本来の目的である経済成長に寄与しないと考えるからだ。特に雇用に関する規制緩和と消費税再増税は、絶対に止めてもらいたい。)

この段階で、労組出身の大畠氏から、経済成長を目指さない枝野氏に交代という、空気の読めなさに、改めて驚く。

(この人事に光を見出している朝日新聞の盲目さにもっと驚く。朝日新聞民主党を応援しているつもりが、実は暗闇で銃弾を放ち、知らないうちに同士討ちしているのかもしれない)