南シナ海で中国船がベトナム船に衝突

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date4&k=2014050700832
中国船舶がベトナム船に衝突=領有権争いの南シナ海
 【ハノイ、北京時事】ベトナム外務省は7日、南シナ海で3、4の両日、中国の船舶がベトナムの船舶に意図的に衝突してきたと発表した。AFP通信やベトナムのメディアが伝えた。中国とベトナム両国は石油・ガス資源が豊富な南シナ海をめぐって領有権争いを続けており、今回の事件が両国間の亀裂を深刻化させる恐れがある。
 ベトナム外務省当局者は「複数の中国船舶が航空機の支援も受けながら、ベトナムの巡視艇2隻を威嚇しようと企て、放水を加えてきた」と主張した。ベトナム政府は中国指導部に対して協議を申し入れ、回答を待っている段階だという。
 外務省当局者によると3日午前の事件では、中国船がベトナム海上警察の巡視艇の右舷に体当たりし、船の窓が割れた。また、翌4日の同時刻ごろにも別の中国船がベトナムの船に衝突した。
 同当局者は証拠として衝突時のビデオ映像も公開。その映像では、ベトナム船の後方に中国の船とみられる船が衝突しているように見える。また、日時は不明だが、同当局者はベトナム船の船員6人が負傷したと説明した。
 現場はベトナム沖合の西沙(英語名パラセル)諸島付近とみられる。この付近では中国が5月から掘削活動を開始し、ベトナムが抗議している。
 ベトナム当局者は地域の周辺国も懸念しているとし、ベトナムは事態を平和的に解決するため「あらゆる必要手段」を取ると強調した。
 これに対して中国外務省の華春瑩・副報道局長は7日の記者会見で、「ベトナム中国企業の正常な作業を妨害している。国際法に違反する行為であり、中国の主権や管轄権を侵している」と非難し、「妨害行為」を停止するよう求めた。ただ「妨害行為」の詳細については言及を避けた。(2014/05/07-23:19)

事件後、すぐに証拠映像を公開したベトナム

尖閣諸島沖漁船衝突事件で映像の公開をずっと渋って、非公式な形で漏洩した日本の対応が如何にお粗末だったか改めてわかる。事件後、映像が公開されなかったことによって、日本側に非があるかのような論調すら見られた。

アメリカのオバマ大統領のアジア歴訪直後に起った今回の事件だが、もしアメリカがこれから本気でアジアへの再均衡政策を進めるなら、中国にとっては東南アジアの国々に威張り散らせる最後の機会だろう。

オバマ大統領は日米首脳会談後の会見で、記者の質問に答えなくていいことまで発言していたように見受けられたが、特に尖閣諸島については日米安全保障条約の適用範囲としながらも、わざわざ「領有権問題に立ち入らない」と付け加えた。沖縄やフィリピンの基地を睨んで尖閣諸島南シナ海が死活的に重要であり、特に尖閣諸島の一部に射爆撃場を設けていることを踏まえれば、現在のアメリカの立場は無責任だ。