国家観なきオピニオンリーダーに国を任せられぬ(朝まで生テレビ(2013/04/27放送))

番組中、いつもの丁々発止の議論というよりサロンのようで いい/つまらない、という両方の意見が寄せられている旨の発言があったが、まさに。出所直後のホリエモンこと堀江貴文元社長の出演が目玉だったようだが、田原と堀江という目立ちたがり屋二人が並んだのが大間違いで、議論が全くまとまらず、ごちゃごちゃ。

番組中のメインではなかったが、特に靖国神社のくだりが酷かった。司会の田原総一朗からして間違っている(もっとも氏の事実誤認は珍しくはない)。唯一飯田泰之准教授がスズメの涙ほどの異論を述べていたほかは、酷いものだった。

まず、田原氏は「靖国神社に祀られた310万人」を連発していたが、それは大東亜戦争(太平洋戦争)での日本人の推定死者数(軍230万人、一般人80万人)と勘違いしていると思われる。正確には、靖国神社に祀られている御英霊は、戊辰戦争西南戦争など明治維新の過程で亡くなった官軍側の戦死者から、その後の日清・日露・大東亜などの戦争で亡くなった軍人・軍属計246万柱余りである。

さらにA級戦犯とは何か、あるいはBC級戦犯とは何か。そういうことを知らずに無責任に「分祀しろ」などというのは甚だ不見識と言うべきである。A級戦犯の名誉は既に回復されており、国のために尊い命を捧げられた戦死者をどのようにお祀りするかというのは、国内的な話であって、他国に言われる筋合いの話では全くない。

「嫌がられるなら靖国神社なんか行かなきゃいいじゃん」と公然と言い放つ堀江氏を、無所属と言いつつ実質的におんぶにだっこで支援した当時の自民党やマスコミの空気は、やはりどこかおかしかった、という他ない。

今回、安倍総理大臣は真榊の奉納にとどめたが、ぜひとも秋季例大祭には参拝していただきたい。靖国神社に参拝するたびに、会談を流すような幼稚な対応を続ける隣国。要するに何をやっても外交問題化してくるのだ。不要な配慮は齟齬を増長させるだけである。

経済政策においては、新しい提言型のリベラル勢力の台頭に期待したいが、彼らに政治を任せるのは今の時点では御免である。