アルジェリア人質事件

1ヶ月ぶりにお久しぶりです。
都合あり、更新頻度が下がっています。まあ政局をめぐる話は一時的な話で、時間が経って枠組みが決まれば、歴史に学ぶところはあれど大して重要な話ではなくなるので、ひとつひとつの問題についてより中身を重視して記事を書いていきたいと思います。

政局をめぐる問題は、とりあえずは参議院通常選挙までの維新とみんなの立ち位置がカギになると思っている。

さて、

アルジェリアでの人質事件
安倍首相東南アジア歴訪
尖閣諸島をめぐる度を超えた中国の挑発
憲法改正
公明党・山口代表訪中

などなど、外交に関する混沌とした数々の問題について、書かねばならんのですが、特にアルジェリアでの人質事件と公明党代表訪中についてまず書きたいと思う。

アルジェリア事件においては、事実と報道、その食い違いと時差、さまざまな不確実な情報の中で、すごく違和感がある。なんか変だな、と。

それ、①食い違う情報がいくつもあること、②情報の出て来方が不自然、という2点に集約される。それについて

・犯人グループの目的(要求)と方法は?
アルジェリア政府と同国軍の作戦の内容は?
・日本政府はどの程度情報を把握していたか?
・人質が撮ったとされる写真やビデオはなぜ撮れたのか?
・各国の対応

という5つを織り交ぜながら考えていく。(もちろん完全に分けるのは難しいので、その疑問は重なったり関連したりしている。よって論点が散る場合もある。)


※時差があるので日本時間に沿った書き方をします(ロイター通信、時事通信等参考)

<事件の前>
まず、事前に犯人側のスパイが天然ガスプラントの従業員として潜入しており(詳しくは判明しないが、1人はドライバーであるとか、欧米人(カナダ人)がいたとアルジェリア首相が発言している)、天然ガスプラント建物内の見取り図を把握していた。また、ガスプラント自体はイギリス石油メジャーのBP社、ノルウェーのエネルギー会社スタイトル社の合弁会社によって運営されており、プラント建設会社日揮を含めた幹部の会合日程(日揮最高顧問(元副社長)を含む)も把握していた。

http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90K00N20130121
脱出に成功した人質は、施設内での武装勢力の様子について、建物の配置などを熟知しているようだったと証言。武装勢力はマリに介入したフランスの軍事作戦を停止させるための行動だと主張しているが、欧米の当局者らは、短期間で計画したにしては用意周到すぎると分析している


<事件の発生>
まず日本時間16日13時ごろ(現地時間16日早朝5時ごろ)、武装勢力が居住区から空港に向かうバスとその警備車両を襲撃。間もなく居住区とガスプラントを占拠(この時点で外国人を含む複数人が殺害されている)、アルジェリア軍が周辺を包囲する。

のちに捕まった犯人グループや生存した人質の証言で日本人を含む外国人を狙っていたことが明らかになる。具体的に「イギリス人2人、フランス人2人、日本人1人拘束」の命令があったとする犯人グループの証言の報道もある。


http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90K00N20130121?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
異常を知らせる第一報は、イナメナスの通信センターに無線で届いた。オペレーターは、午前5時45分に外国人労働者を連れてイナメナスの空港へ向かうバスの運転手とのやりとりを記録していた。「バスが出発して間もなく、たくさんの銃声が聞こえた」。

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013011700787
武装集団は交渉に向け、包囲する軍部隊が撤退するようアルジェリア政府に要求しているという。
 アルジェリア紙によると、武装集団はアルジェリア政府に、20台の四輪駆動車をガソリン満タン状態で提供し、隣国マリへの出国を認めるよう求めている。要求が受け入れられなければ、人質を殺害すると警告している。

司令官が「邦人誘拐指示」=拘束の実行犯供述−人質事件
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012500111
 【アルジェ時事】アルジェリア人質事件で、拘束された実行犯の一人が当局の取り調べに、犯行グループのイスラム武装勢力「血盟旅団」を統率するベルモフタール司令官から、日本人とフランス人、英国人を誘拐するよう指示されていたと供述した。地元紙シュルーク(電子版)が24日報じた。武装勢力が今回の事件で日本人を標的としたことを明言したのは初めてとみられる。
 供述したのは「アブタルハ」という名を持つチュニジア出身の男で、同紙は事件の首謀者の一人と説明している。供述によれば、犯行グループは三つに分かれており、男は主に仏人の誘拐を担当、隣国リビアまで連れ去る計画だった。誘拐を指示された日本人は「1人」だったという。(2013/01/25-07:15)


http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90H00A20130118
http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90K00N20130121?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0
今回の事件で、武装勢力は施設内部に入ると欧米人らを一カ所に集めたため、数百人のアルジェリア人への監視はやや手薄になったという。あるアルジェリア人労働者によると、武装勢力は「キリスト教徒と異教徒」の殺害にしか興味がないと語ったという。

施設を襲撃したイスラム武装勢力が、アルジェリア人の作業員に対し、「キリスト教徒や異教徒」など欧米人の人質を殺害すると話していたことが分かった。施設から逃れた現地の男性が17日明らかにした。
武装勢力が施設内部についてよく分かっているようだったとし、イスラム過激派のような話し振りだったと述べた。
武装勢力について「施設のことを非常によく知っているようで、どこに何があるか分かっていた」とも話した。

「内通者が事前準備」=ノルウェー外相−アルジェリア人質事件
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012401047
 【ロンドン時事】ノルウェーのアイデ外相は24日付地元紙ベルデンスガングに掲載されたインタビューで、アルジェリア人質事件について、「おそらく施設内部の誰かから支援を得て実行された」との見解を明らかにした。
 AFP通信が報じたインタビュー内容によると、外相は「テロリストたちには内部で時間をかけて基礎的な準備をする連中がいた。彼らは(襲撃に使用するための)道具を施設内に事前に配置するなどした」と述べた。(2013/01/24-22:38)

青山繁晴氏・1月24日ニッポン放送「ザ・ボイス」にて。日本政府高官複数とそれぞればらばらに会ったとして、すべて伝聞体で発言。
「人質がアルジェリア人もいれて何百人もいて、ほとんど全員がダミーだった。犯行グループの真の目的だった人たちは数人おり、日本人はたった一人、日揮の最高幹部元副社長の方。それ以外は全部ダミーだった。」「犯行グループはテロが目的ではない。これはアルカイダとは関係があるけれども、実はアフリカを中心に活動している人質誘拐ビジネスの専門集団。つまりプラントの破壊や人質の殺害は目的ではなく、その中のごく限られた数人、日揮の最高顧問やイギリスBP社の副社長であったり、こういう方々が真の目的でそれをごまかすために大量の人質を一旦取っただけで、その中から役員クラスの限られた方々を5台の四輪駆動車に分乗させて、ふつうの従業員のダミーの人質もその中に加えて、隣国マリの北部へ連れて行こうとした。マリの北部は(日本)政府当局者によるとイスラム原理主義者のパラダイスになっている。手出しができない。アメリカもフランスもイギリスも手出しができない状況。そこに連れて行ってそこから身代金の交渉をしようとしていた。値段も出ていて最低一人二百万ドル以上、日本円で言うと二億円弱ぐらい。このレートも今急に出てきた話じゃなくて、フランス含めヨーロッパ諸国のいくつかが今までに身代金を払ってしまっていて絶対に払ってないのはイギリスとアメリカだけだそうです。そのために今二百万ドルの相場が出てしまっている。それに成功しているからそこに日揮、日本の大きな企業の役員を加えたのは値段のつり上げのためだった。アルジェリア政府はこの犯人グループが実はテロよりも人質誘拐ビジネスの専門集団だということを知りつくしていて、5台の四輪駆動車にエグゼクティブが乗っていてマリ北部に連れて行かれるということも知っていた。そもそも襲撃されたのは報道されている通り内通者がいていつ何時日揮元副社長やBP社の現役の副社長が集まるという情報がもたらされたから攻撃された。ところがそのあとに犯人の側から逆内通者がアルジェリア政府にお金を求めて情報を渡して、アルジェリア政府のために申しておきますがこれは未確認です、あくまで日本、アメリカ、イギリス、フランスの共通した政府側の見方として、アルジェリア政府は逆内通者の情報によって車に誰が乗っているかも知った上でやむを得ず攻撃した。なぜかというとそのままマリ北部に連れて行かれると、テロリストあるいは人質誘拐ビジネスの犯行グループのパラダイスになってしまっているから当然長期化してしかも身代金の値段がつり上げられてフランスだけではなくて諸国に対してこれからどんどんさらに誘拐ビジネスが流行してしまう。地中海を挟んでヨーロッパを巻き込んでそういう事態になるからそれもアルジェリアとしては総合判断して車に誰が乗っているかも承知の上で攻撃せざるを得なかった。その攻撃の時に銃弾だけではなくてロケット弾も使われたからそこに乗っていた方々で亡くなった方については御遺体の損傷も極めて激しいので安否確認が最後までできずに難航している。」「9人全員がいわばダミーとしての最初は人質であった。それが戦闘になったために巻き込まれた上の無残な犠牲になったということなんです」「そもそもフランスがマリに介入したのがきっかけになったように見えるが、これも日本で報道されているのと現実は全く違うそうだ。マリの北部はテロリストや誘拐ビジネス犯行集団のパラダイスになってしまっていて、どんどんフランスやヨーロッパはこのまま手をこまねいて居たらマリ全体が誘拐ビジネスの一大拠点になってしまうというところまで追い込まれたのでアメリカに介入を要請したがオバマ大統領が全くそれに応じてくれなかったからやむを得ずフランスとして単独介入した。その結果この事件が起きたのでフランスのオランド大統領はオバマ大統領の説得をあきらめて、イギリスのキャメロン首相に連絡を取りイギリスもマリに介入していくという趣旨の発言をしました。それをもってアメリカを今動かそうとしている状況。そこに日本の犠牲者が諸国と比べて一番出てしまった以上は、日本は既にこれに関与せざるを得ない」


アルジェリア軍の制圧作戦(17日〜19日?)>
事件発生を受けて、日本時間17日18時ごろ安倍首相はイギリス・キャメロン首相と1回目の会談。
イギリス側から「日本からもアルジェリアに大して慎重に行動するよう説得してほしい」と頼まれた、という趣旨の報道がある(施設をBP社の合弁会社が運営していることもあってか、イギリスはアルジェリア軍が積極姿勢であることを知っていたことになる。)。
17日の日中(日本時間17日20時ごろか)、アルジェリア軍が制圧作戦を開始する。これは19日午後の「最終攻撃」にかけて断続的に続いたと思われる。
作戦の中で17日、人質を乗せた車両5台をアルジェリア軍が攻撃、4台が爆発し多くの人質が死亡したと伝えられている。
英国キャメロン首相はアルジェリア首相との会談の中で「既に作戦は始まっている」知らされる(作戦の事前通告は英、日を含む当事国には一切なかった可能性がある。なおフランスについては事前通告の有無は判然としない)。
日本は攻撃開始について英国の駐アルジェリア大使から日本の駐アルジェリア大使館を通じて政府に伝えられた(菅官房長官会見)。
安倍首相は、アルジェリア首相との会談で「厳に控えるよう改めて要請する」(日本時間18日0時30分ごろ)。

「多数の職員人質に」=解決へ当局と協力−英BP
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013011700948
 BPは17日声明を出し、多数の職員が施設内で拘束されていることを確認した。またアルジェリア軍による施設奪還作戦について当局から通告があったことを明らかにした。
 (2013/01/18-00:57)


英首相、日本・ノルウェーの首相とアルジェリア人質事件について協議
http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTJE90G00320130117
「首脳らは、それぞれ入手している情報を話し、アルジェリア政府を通じて解決を目指すのが適切なアプローチとの認識で一致した」
2013年 01月 17日 21:59 JST

http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90K00N20130121?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0
アルジェリア政府軍は襲撃から約30時間が経過した17日正午ごろ、ヘリコプターなどで施設を攻撃。同国政府はこの攻撃について、武装勢力が人質を連れてマリとの国境まで移動しようとしていたからだと説明した。

http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90H01720130118
施設から無事脱出したアイルランド人の男性が17日、人質らが乗っていたジープ4台をアルジェリア軍が誤爆し、多数が死亡したようだと語っていることが分かった。

アルジェリア人質救出作戦、英に事前連絡なく失望=キャメロン首相http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTJE90H00520130118

マリへの軍事介入は正当化される=オランド仏大統領http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTJE90G01Q20130117
 大統領は事件が「劇的な」展開を見せているようだとの認識を示したが、状況の正確な評価ができる情報をまだ持ち合わせていないとした。
 ただ「アルジェリアで起きていることは、マリに介入を行う私の決断が正当化されることを示す一段の証拠となった」と述べた。

アルジェリアの単独判断=軍事作戦「事前連絡なし」−岸田外相
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013011800077


官房長官会見要旨
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013011701074
安倍首相、軍事作戦の中止要請=アルジェリア首相と電話会談
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013011800042

17日夜 東京時間の午後9時10分、在アルジェリア英国大使から日本大使館の次席公使に対し、人質解放のためアルジェリア軍が攻撃を開始したとの情報提供があった。  

17日午後11時から城内実外務政務官アルジェリア外相と会談し、「アルジェリア軍の行動を即刻中止していただきたい」と要請した。

18日午前0時30分から45分まで、バンコクで安倍首相がアルジェリア首相と電話会談を行った。安倍首相より「アルジェリア軍が軍事作戦を開始したという情報に接しているが、人命最優先での対応を申し入れてきたにもかかわらず、このような行動に出ていることを強く懸念しており、厳に控えるよう改めて要請する」(と求めた)。また「解放された人の中に邦人はいるか」とただしたところ、先方は「現在まだオペレーションの段階にあるため何とも言えない」と述べた


アルジェリア軍が最終攻撃、人質23人の死亡確認=内務省
http://jp.reuters.com/article/jp_hostage/idJPTYE90J00020130120
イスラム武装勢力によるアルジェリアのガス関連施設での人質拘束事件で、同国軍は19日に最終攻撃を実施し、人質23人と武装勢力32人が死亡した。同国の内務省が声明で明らかにした。
2013年 01月 20日 09:59 JST

<日本人の安否を確認、帰国>
詳細は特に政府専用機帰国後の報道等によって明らかにされている。
生存者は最初の7人は比較的早く確認できた(政府は社員から電話を受けた日揮からの連絡で把握)。
残る10人は結果的には全員が犠牲となっている。途中アルジェリア軍が攻撃中の17日に、のちに死亡が判明する木山聡さんに対してアルジャジーラが電話取材を行い、音声は知人らによって本人と確認されている(攻撃開始時点では生存していたことになる)。
その後、7人と2人の死亡が相次いで確認され、最後に日揮最高顧問で前副社長の新谷正法さんの遺体を指輪のイニシャルで確認した。



アルジェリア拘束:発砲で日本人けが 中東TVが電話
http://mainichi.jp/select/news/20130118k0000m040091000c.html
中東のテレビ局アルジャジーラは17日、人質になっているという日本人男性の電話インタビューを放送。男性は日揮で勤務する「キヤマ・サトシ」さんと名乗り、「16日にアルジェリア軍の発砲でけがをした。重傷ではない」と話した。放送されたインタビューは約3分間で、男性は英語で答えた。「バスに乗っていたら襲われた」と説明し、「同じ場所で拘束されているノルウェー人もけがをしている」などと語った。日揮本社にも17日、拘束されている日本人従業員から「けがをしたが重傷ではない」との連絡があった。

 アルジャジーラは、他の2人の人質のインタビューも放映。いずれも男性で、英国とアイルランドの出身だといい、「危害は加えられていない。政府軍は包囲を解いて、(武装勢力と)交渉を始めてほしい」「16日には家族と連絡をとることを許可された」と話した。インタビューは拘束下で行われたとみられ、人質が強制的に発言させられている可能性もある。

 一方、西アフリカ・モーリタニアの通信社は17日、人質の一部が拘束されているとみられるガスプラント施設をアルジェリア軍がヘリコプターで空爆し、日本人2人が負傷したと報じた。

 AFP通信やアルジェリアからの報道によると、武装勢力による襲撃があったのは16日午前6時(日本時間午後2時)前。武装勢力のメンバーは車両3台に分乗し、ガス田の労働者らを乗せて空港に向かうバスを待ち伏せて攻撃した。バスをエスコートしていた警備員に反撃されると武装勢力は二手に分かれ、一方は居住区へ向かい、多数の人質を拘束した。もう一方は天然ガス処理施設へ向かったという。この間の衝突で英国人ら3人が死亡したほか、少なくとも6人がけがをしたとされる。

 ロイター通信によると、フランスの配膳会社関係者は現地社員からの情報として、外国人の人質はアルジェリア人とは別の場所に隔離されたうえ縄で縛られ、映像を撮影されていると話した。電気は消され、携帯電話の充電もできない状態で、厳しい監視下に置かれているという。アルジェリアのテレビによると、41人とされる外国人人質のうち15人が17日、脱出したが、日本人が含まれているかは不明。

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012300970
 「どうしてこんなことになったのか」。安倍晋三首相は20日午前0時30分から行ったセラル・アルジェリア首相との電話会談で、邦人の犠牲者が出たことを激しい口調で抗議。「5人死亡」情報についても「どうやって確認したのか」と問い詰めたが、セラル首相は「遺憾だ」と言うばかりで、根拠を明確に示さなかった。

「顔を隠して逃げた」=現地スタッフに囲まれ、頭にターバン−生存者が証言・日揮
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012500484
16日午前5時40分ごろ、同国南東部イナメナス天然ガス関連施設で、サイレンが鳴った。生存者の1人が様子を見ようと部屋のドアを開けると、「ステイ・ルーム(部屋の中にいろ)」と言われた。
 同6時半から8時にかけては、近くで「オープン・ザ・ドア(ドアを開けろ)」という声が聞こえ、銃声がこだました。その後、同国軍と思われるヘリコプターが到着。日中はずっと銃声が鳴り響いていたという。
 翌17日午前9時45分ごろ、部屋の外を確認すると、同社のアルジェリア人スタッフが数人おり、数分後、スタッフからターバンを頭に巻かれ、顔をネックウォーマーで隠すよう指示された。その上で、スタッフら数人に囲まれ、下請け会社のキャンプに逃げた。

日揮最高顧問の遺体帰国=最後に身元判明の新谷さん−岸田外相出迎え献花・成田空港
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012600054
 アルジェリアの人質事件で、最後に死亡が確認されたプラント建設大手「日揮」(横浜市)の最高顧問新谷正法さん(66)の遺体を乗せた日本航空機が26日午後、成田空港に到着した。これにより日本人10人の犠牲者全員が無言の帰国をした。
安否確認は難航し、身元の特定に至ったのは24日。指輪に刻まれた数字とイニシャルが決め手となった。

途中に引用した、ラジオ放送については、納得できる部分とできない部分があるが、状況証拠からみれば構図としてはありうるかと思う。現にフランスは一貫してアルジェリアを支持し、イギリスは最初不信感を募らせていたものののちにやや軌道修正したように見える。今日になってアメリカ軍がフランス軍に空中給油機の提供を決めた。ただ人質の死因については、戦闘に巻き込まれて亡くなったのか、事前に殺害されていたのか。生々しい話になるが、指輪で遺体を確認したということは、それ以外の確認材料が判別できないほどの損傷を受けていたということになる。爆発物を巻きつけられていたという証言もある中、アルジェリア軍がロケット弾を使った、という話も判別不可能である。

今回の事件は当初から、人質の人数、作戦の終了発表などが二転三転し、関係国はまさに混乱した。それは地理的要因もあれば、現地の情報統制、また犯人側が流した情報と政府側が流した情報が入り乱れたりしたこともあっただろう。記者が現場に立ち入ることは長い間許されず、外国人記者のビザ発給も制限されたようである。


真相解明阻む軍主導体制=国民にも情報開示せず−アルジェリア人質事件
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%a2%a5%eb%a5%b8%a5%a7%a5%ea%a5%a2&k=201301/2013012500561
 首都アルジェの空港に24日相次いで降り立った日本人記者は「強権支配を敷いたかつてのリビアなどの独裁体制を想起させる」と口をそろえた。カメラなどの機材検査は厳しい。ビザが発給されたのは救出作戦の完全終了後だ。街角に警官の姿も目立ち、自由な取材への壁は厚い。

日本はもっとも多い犠牲者の国となってしまった。特に9.11以降、外国のテロや人質事件によって幾人もの日本人が犠牲になっている。特に今回は、巻き込まれたのではなく、明らかに異教徒として日本人も狙われた。これは大きい。また、アルジェリア軍の行動でもわかるように治安状況が違えば、価値観も違う(事件発生翌日の強行突入というのは、専門家以外の筆者を含む多くの日本人の常識からいえば意外で、人命を軽く見た暴挙とも映ったのではないか)。以前から自衛隊の海外派遣では紛糾していたが、欧米諸国と立場の違いを保ちつつも、日本も否応なしにテロとの戦いに関与していかざるを得ない時代になっている。一方で日本は、先日の国連でのパレスチナの「機構」から「国家」への格上げにフランスなどとともに賛成している。10年以上になる対テロ戦争の長い歴史とともに国際社会が流動的になりつつある中で、新しい秩序を求めて日本はどんな国家戦略を描くのか、どんな役割が果たせるのか。

今後は自衛隊も含めた在外邦人保護や日本版NSC構想について、議論になる。今回の犠牲は絶対に無駄にしてはならない。特に自衛隊は今回、フランス軍の警護等の協力により政府専用機をアルジェまでは派遣できたが、イナメナスからアルジェまでは安全が確認されない限り警護できない。たとえ当事国の承認が得られたとしても陸路での移動は認められず、現行でできるのは安全が確認された場所へ飛行機と船でゆくことだけである。武器使用についても様々な理不尽な制約があり、かえって隊員を含む日本人を危険にさらすことになりかねない。日本人の生命財産を守るという基本的なことすら縛っている現在の警察の延長としての位置づけはとっくに限界にきており、今まで大事がなかったのは幸運が重なっただけともいえる。

改めて、世界の中でより難しい立場となった日本が厳しい選択を迫られているとき、国家として普通の軍隊を持つことが不可欠であるということが、現実性を帯びて国民の皮膚感覚に触れはじめた。早晩3度目の核実験に踏み切るであろう北朝鮮尖閣諸島へ度を超えた挑発を続ける中国。まさに我慢の連続である。しかし当然のことながら最低限の準備を整えたうえで我慢すべきであり、邦人保護や最低限の集団的自衛権を認める憲法改正をはじめ、総合的な危機管理や情報収集・分析の体制を整えるのが急務である。

米、仏軍機に空中給油
 【ワシントン時事】パネッタ米国防長官は26日、フランスのルドリアン国防相と電話で話し、マリで軍事作戦に従事する仏軍機に対し、米軍機による空中給油を実施すると伝えた。フランス側は軍用機の航続距離を伸ばすため、米軍に空中給油機を提供するよう要請していた。(2013/01/27-10:57)