第三極で「卒原発」新党結成へ

滋賀県の嘉田知事が原発を旗印に「日本未来の党立ち上げ。代表代行に脱原発山口県知事選にも出馬した飯田哲也氏、賛同者に京セラ名誉会長の稲盛和夫氏、音楽家坂本龍一氏、俳優の菅原文太氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、脳科学者の茂木健一郎氏。民主党を離党した小沢一郎代表率いる「国民の生活が第一」や、山田正彦(民主党を離党)、亀井静香(元国民新党代表)、河村たかし(名古屋市長)の各氏が率いる「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」などが合流へ。

ということですが・・・

直前になってずいぶん強引なことをやるな、という印象。わかりやすくなったとは思う。

これはいわゆる第三極Bチームにとっては、それぞれの利益が一致したということでしょう。
自身に黒いイメージがついてしまった小沢さんは、党の顔である代表から裏へ回ることが出来る。支持と数が伸び悩む「減税〜」は数を稼げる。そして嘉田さんは、国会議員数十名を従える政党のトップになれる。なにより一中小県の知事でしかなかった嘉田さんにとって、こんなにうまい話はない。

小沢さんが選挙に出るかどうか、というのもわからないのでは。コアなファンの票は固めている一方、権力欲や金権政治のイメージがついてしまっているのが総合的にマイナスと判断すれば、電撃引退もあり得るかも? 
選挙後の枠組みを考えたら、小沢さんとくっつこうという与党はいないと思う。かといって本人がいまさら野党の中小政党の地位で満足するとも思えないんだがな。

原発を争点化しようというのはわかるけど、どんな受け止め方をされるかね。
いずれにしても地方から中央を変えようというのはいい流れ。

いかんせん維新もこっちも準備が足りてない。

「賛同者」の文化人は、いかにも自分を進歩的だと信じていそうな"いつもの人たち"なわけだが、京セラの稲盛会長が入るとは意外。もうすっかり政商のイメージだけど、太陽光の商売を考えているとしか思えん。ドイツの買い取り制度が破綻しているという話が聞こえる中で、ヘンな制度を導入した菅首相の罪は改めて大きい(この件にも政商(孫正義ソフトバンク社長)絡んできたし)。

http://www.asahi.com/politics/update/1127/OSK201211270043.html

嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明
 滋賀県嘉田由紀子知事(62)は27日午後3時過ぎから大津市内のホテルで記者会見し、新党「日本(にっぽん)未来の党」を結成する、と表明した。原発を段階的に削減する「卒原発」など六つの主要政策を掲げ、「未来をつくる政治の結集軸」を目指すとした。

 嘉田氏は知事のまま代表に就く。任意団体としてスタートし、政党を含む幅広い層に賛同者を募る。代表代行には脱原発を訴える環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が就任する。

 「卒原発」以外の政策の柱は、「活女性、子ども」誰もが居場所のある社会を実現▽「守暮らし」生活に対する不安を取り除く▽「脱増税」消費増税の前に、徹底してムダを削除▽「脱官僚」国民・地域の立場に立った行政・司法に改める▽「誇外交」食品の安全、医療制度を守り、品格ある外交を展開、とした。

 嘉田氏は「びわこ宣言」も発表。東日本大震災後初の国政選挙であるにもかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明なままだ、と指摘。「自民党はこれまで原発安全神話をつくり、事故への備えを怠り福島事故に対する反省は一切なく、原発推進ともとれるマニフェストを発表した」と批判した。

 そのうえで「多数の原発が集中立地する若狭湾福井県)に近い滋賀県、琵琶湖をあずかる知事として、国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申し訳が立たない。国民の信頼を取り戻し、国民が希望を持つことができる、未来への選択肢となる新しい政治の軸を立てる」と決意を表明し、賛同を呼びかけた。

 びわこ宣言の賛同者には京セラ名誉会長の稲盛和夫氏、音楽家坂本龍一氏、俳優の菅原文太氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、脳科学者の茂木健一郎氏が名前を連ねた。
(朝日新聞 2012/11/27)

http://mainichi.jp/select/news/20121129k0000m010101000c.html
日本未来の党:設立を届け出 前衆院議員ら73人参加

 滋賀県嘉田由紀子知事が結成した「日本未来の党」は28日、東京都選管を通じ総務相に新党設立を届けた。未来には国民の生活が第一(60人)と減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(9人)、社民党に離党届を出した阿部知子衆院議員が合流するほか、みどりの風の前衆院議員3人が未来から衆院選(12月4日公示、16日投開票)に立候補する予定で、未来の参加メンバーは前衆院議員61人、参院議員12人の計73人となる見通しだ。【竹島一登、竹内良和、津久井達】

 みどりの風衆院選後、当選したメンバーを戻す方針。当面、参院議員4人となり、政党要件(国会議員5人)を満たさなくなる。生活と脱原発は解党する方針で、衆院選に臨む政党は12となった。

 未来の届け出メンバーには生活の広野允士参院議員ら6人と脱原発山田正彦共同代表、阿部氏の計8人が名を連ねた。最大勢力となる生活の小沢一郎代表が影響力を持つことになりそうだ。

 幹事長などの幹部人事と衆院選の公認候補は、嘉田氏が12月2日に東京都内で記者会見して発表する方向。未来の代表代行に就任する飯田哲也氏(NPO「環境エネルギー政策研究所」所長)は設立届の提出後、小沢氏の処遇について「無役だと理解している」と記者団に語った。嘉田氏は「(小沢氏の)経験は尊重したうえで、新しい政党の仕組みについては私の方で責任を持って判断したい」と強調した。

 未来は民主、自民、公明3党と日本維新の会を除く各党に連携を呼びかけており、みんなの党渡辺喜美代表には嘉田氏自ら打診した。「脱原発」勢力の連携を図るとともに、第三極内で日本維新の会を孤立させる狙いもあるとみられる。

 日本維新の会橋下徹代表代行は28日、嘉田氏が「2022年をめどに原発ゼロ」を打ち出したことについて「本当にできるのか。スローガンだけになっていないか非常に心配だ」と批判した。青森市で記者団に語った。

(毎日新聞 2012/11/28)

嘉田知事という人は、東海道新幹線の新駅(請願駅)の建設に反対して当選したということで、当時少し話題になった。地方の人は新幹線の新駅って言ったらもろ手を挙げて賛成するのかと思ってたら、当選しちゃったから、時代の変化を感じた。田んぼの真ん中に新幹線の新駅建設というおよそ常識的ではない案に真っ向から反対して、立派な人だなと思った。首長と党首を兼職するとなると、もう橋下徹にそういう文句も言えませんね。