公明党・山口代表訪中関連

公明党の山口代表が安倍首相の親書を携えて訪中した。

公明・山口代表、22日から訪中 習総書記らと会談要請
http://www.asahi.com/politics/update/0117/TKY201301170166.html
 公明党山口那津男代表は17日の記者会見で、22〜25日の日程で中国を訪問すると発表した。尖閣諸島問題をめぐる対立で冷え切った両国の関係改善につなげるため、習近平(シーチンピン)総書記らとの会談を中国側に要請したという。安倍政権発足後、与党幹部の訪中は初めて。

しかし会談の出発前に失言。

尖閣解決、将来世代に」 公明・山口代表、棚上げ示唆
http://www.asahi.com/politics/update/0121/TKY201301210450.html
 公明党山口那津男代表が尖閣諸島の問題で「棚上げ論」に触れた。安倍晋三首相(自民党総裁)は「尖閣に交渉の余地はない」との立場だけに、連立を組む公明党トップの発言は波紋を広げそうだ。

 「将来の世代に解決を委ねるのはひとつの知恵だ」。山口氏は21日夜、仙台市で記者団にこう語った。中国側は1978年の日中平和友好条約の締結後、尖閣諸島の領有権は主張しつつ、尖閣問題を「棚上げ」するとの見解を示してきた。山口氏の発言は、中国の主張を容認するとも受け取られかねない。

 山口氏は22日から訪中する予定。習近平(シーチンピン)総書記との会談が実現すれば「日中国交正常化の経緯に照らし、先人の知恵に学ぼうと申し上げたい」との考えも記者団に示した。また、山口氏は香港テレビの番組で中国機の領空侵犯について「お互いに軍用機が入らないことを双方で理解し合う必要がある」と踏み込んだ。

 こうした山口氏の主張は日本政府の立場とは異なる。安倍晋三首相は11日の記者会見で「尖閣について、海と領土を断固として守っていく。交渉する余地はない」と強調。領空侵犯については、従来から自衛隊機のスクランブル(緊急発進)という対応をとっている。

 山口氏に近い参院議員は山口氏の発言について「領有権問題を棚上げすべきだと、明言しているわけではない。中国側の挑発行為をやめてくれという意味だ」と説明した。


山口・公明代表、中国へ出発 尖閣棚上げ言及「考える」
http://www.asahi.com/politics/update/0122/TKY201301220059.html
 公明党山口那津男代表は22日、中国・北京に向け出発した。出発に先立ち、尖閣諸島沖縄県石垣市)問題を事実上棚上げする自らの発言に関連して「不測の事態を回避して緊張を和らげるために、さまざまな対話を重ねていく必要がある」と語った。羽田空港で記者団の質問に答えた。

 山口氏は訪中で習近平(シーチンピン)総書記宛ての安倍晋三首相の親書を持参するが、「将来の世代に解決を委ねる」とした自らの発言について「(首相との間で)議論していない。領有権をめぐる基本的立場は共有している」と説明。中国要人との会談で棚上げ論に言及するかどうかは「十分考えたい。領有権より大局的な日中間の関係改善の話をしたい」と述べた。

与党の自覚がないんじゃないでしょうか。2回も領空侵犯されて以降、特に警戒して早期警戒機を飛ばしている政府の取り組みを与党代表として自ら否定するような発言は、理解できない。

その後の経緯をみると、訪中してももし習近平総書記(次期国家主席)に会えなかったら面目丸つぶれだから、出発前に中国側の主張に沿った発言をしたように思える。しかし領土問題の存在を認めさせることこそが相手の目的であって、その一点突破のためだけに暴動を許し、領海侵犯を恒常化させ、ついには領空侵犯さえしてきたのである。日本は今、最大限の我慢を強いられている。中国側の主張を追認するような発言をすれば、「日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為にも反対する」というヒラリー・クリントン国務長官の発言はどうなるのか。

日本政府が言うことやることは決まっている。「尖閣諸島に領土問題はない。挑発行為をやめなさい。領空侵犯に対しては国際法に則って対処する」。そのうえで警戒や実効支配を強化する。

中共創価学会公明党の関係の歴史、縁は深い(中共の幹部が多数創価大学が受け入れ)。一方国内では集団的自衛権などの自衛隊の活動や憲法、消費税の軽減税率で折り合えなかった。自らの存在感を示すために中国におもねったのなら大いに問題。


公明・山口代表:習総書記と会談困難か 北京に到着
毎日新聞 2013年01月22日 20時55分(最終更新 01月22日 21時12分)
http://mainichi.jp/select/news/20130123k0000m010065000c.html
 【北京・福岡静哉】公明党山口那津男代表は22日午後、羽田空港発の民間機で北京空港に到着した。沖縄県尖閣諸島をめぐり対立が深まる日中関係を打開する糸口を探りたい意向で、事前に唱えた尖閣の「棚上げ」論は、習近平総書記との会談実現に向けた布石の意味がある。ただ、習氏との会談は調整が難航していることに加え、政府・与党内では「棚上げ」発言への批判も出ている。

 「尖閣だけが日中間の問題ではない。大局的に関係改善の道を探るには政治的な対話を重ねる必要がある」。山口氏は22日朝、羽田空港で記者団に会談実現への意欲を強調した。中国への強硬姿勢が目立つ安倍晋三首相や与党第1党の自民党には緊張緩和へ向けた動きが鈍く、山口氏としては日中衝突などの「不測の事態」を避けたいのが本音だ。

 山口氏は21日、香港のテレビ局の取材に、尖閣の棚上げ論を展開。両国の軍用機が周辺での飛行を避けるとの「合意に至ることも重要だ」と踏み込んだ。訪中前に妥協案を示して会談実現の弾みとする狙いで、党関係者は「習氏に向けたシグナルだ」と解説する。

 ただ、22日時点で会談の見通しは立っておらず、同行筋は「要請しているが中国側から回答がない」と語る。王家瑞対外連絡部長との会談はいったん23日に固まったが延期となった。山口氏は首相から習氏への親書を託されているが、日中関係筋は「中国側は親書に踏み込んだ提案はないと判断したのではないか」と語る。

 一方、自民党石破茂幹事長は22日の記者会見で、周辺空域での飛行自制という山口氏の提案を「我が国固有の領土と言っており、飛行機が近づかないということは極めて難しい」と批判した。


公明・山口代表、習氏との会談決まらず 党内に焦りの声
http://www.asahi.com/politics/update/0123/TKY201301230533.html
 【北京=星野典久、奥寺淳】訪中している公明党山口那津男代表と習近平(シーチンピン)総書記との会談がなかなか決まらない。公明党は23日、山口氏と中国要人の会談が25日午前中にセットされたことを明らかにしたが、誰かは不明という。「空振り」を避けたい党内からは焦りの声も上がる。

 22日に訪中した山口氏は23日夜、唐家セン(センは王へんに旋)・中日友好協会長(元外相)と北京市の釣魚台国賓館で会談。その前には博物館の見学などをして過ごした。山口氏は習氏との会談を要請し、安倍晋三首相の親書も携えている。それだけに中国トップとの会談をなんとしても実現したいところだ。


習氏との会談、不透明 中国指導部に疑念 公明・山口代表訪中
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201301230653.html
 訪中している公明党山口那津男代表と習近平(シーチンピン)総書記との会談日程がなかなか決まらない。公明党は23日、山口氏と中国要人の会談が25日午前中にセットされたことを明らかにしたが、誰かは不明という。

案の定、中国側は焦らし始める。敢えて日本メディアに「習総書記が会わないかも」とリークもする。
「会いたい、会いたい」「まだ決めてない」という時点で、相手に主導権を握られてしまっている。
何しろ危険を冒してあの“発言”をしたのに会ってくれないのでは、それこそ損をしただけである。

もっともこれは公明党に頼るしかない?自民党の対中国外交の不足にも由来する。

公明代表、中国で「池田名誉会長の精神受け継ぐ」
2013.1.24 19:43 [公明党
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130124/stt13012419440007-n1.htm
 中国を訪問中の公明党山口那津男代表は24日の中国共産党王家瑞中央対外連絡部長との会談の冒頭で、支持母体である創価学会池田大作名誉会長の名前を持ち出し、公明党と中国との関係の深さを強調した。山口氏は「公明党創立者である池田名誉会長が日中国交回復に大きな役割を果たした。その基本的な精神をわれわれも受け継がなければならない」と訴えた。

 安倍晋三首相から習近平総書記宛ての親書を託されている山口氏だけに、25日の帰国間際になっても設定されない習氏との会談実現にかける強い思いが表れたようだ。(北京 力武崇樹)


山口・公明代表:中国共産党幹部と会談 王氏が「尖閣棚上げ論」 山口氏は触れず
毎日新聞 2013年01月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20130125ddm002010125000c.html
 【北京・福岡静哉】訪中している公明党山口那津男代表は24日午後(日本時間同)、中国共産党王家瑞(おうかずい)中央対外連絡部長と北京市内で会談した。王氏は、尖閣諸島の問題について「前の世代が棚上げし、中日友好が保たれた。後々の世代に解決を託すこともある」と主張。山口氏も訪中前に「棚上げ」論に言及していたが、王氏との会談では触れず、「大局的な共通利益を見いだす対話が大切で、不測の事態は避けねばならない」と述べるにとどめた。

 山口氏は楊潔〓(ようけつち)外相とも会談。安倍晋三首相から託された習近平総書記宛ての親書について「これを届けるのが大きな目的だ」と述べ、習氏との会談実現に期待感を示した。

 山口氏はその後、同行記者団に「(中国側から)配慮するとのニュアンスは伝わっているが、明確にはわからない」と説明。「(習氏との会談が実現しても)棚上げ論を我々から言うとか、約束する立場ではない」と強調した。


公明・山口代表:習近平氏との会談実現に期待感
毎日新聞 2013年01月24日 22時21分
http://mainichi.jp/select/news/20130125k0000m010088000c.html
 【北京・福岡静哉】訪中している公明党山口那津男代表は24日夕(日本時間同)、北京市内で、楊潔※(よう・けつち)外相と会談した。

 山口氏は会談で、安倍晋三首相から中国の習近平総書記宛ての親書を託されたことに言及し、「これを届けるのが大きな目的だ」と強調。25日に帰国することを踏まえ、「役目を果たすため、残る期間が良い期間となるようお願いしたい」と伝え、習氏との会談実現に強い期待感を示した。

 これに先立ち、山口氏は王家瑞中央対外連絡部長とも会談。王氏は、尖閣諸島沖縄県石垣市)をめぐる日中関係悪化を念頭に、「両国関係に常に一部の紆余(うよ)曲折があるのはごく自然。特別な時期だからこそ、双方の意思疎通と対話を強化し、相互理解を深めるのが重要だ」と強調した。

※は竹かんむりに褫のつくり

公の場で公明党創価学会池田大作の名前を出すのは珍しい。いかに焦っているかがうかがえる。

2013年01月25日 山口公明代表、習総書記と会談 安倍首相親書手渡す
http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2013/01/25/09china/
 【北京=力武崇樹】中国訪問中の公明党山口那津男代表は25日午前、北京市人民大会堂中国共産党習近平総書記と会談した。山口氏は、安倍晋三首相が習氏に宛てた親書を直接手渡した。習氏は会談冒頭、「中日関係が特殊な情勢に直面している中、ご来訪を重視している」と述べた。山口氏は政治対話を通じ、沖縄県尖閣諸島の国有化をめぐり悪化した日中関係の改善を図る意向を示しており、日中首脳会談の実現も働きかけたとみられる。習氏が昨年11月に総書記に就任して以降、日本の与党幹部との会談に応じるのは初めて。日程がなかなか確定しなかったが、会談開始の1時間半前に中国側から正式に伝えられた。山口氏は25日夜に帰国する。 <25日午前、会談前、中国の習近平共産党総書記(右)に安倍首相の親書を手渡す公明党の山口代表 =北京の人民大会堂(共同)>


「そんなに言うなら会ってあげるよ」「ありがとうございます」帰国の日にやっと会談実現。
念願叶い、思わず笑顔でお辞儀をしてしまった山口代表。習総書記はにこりともせず。
終始硬い表情の相手。パフォーマンスでは相手が一枚も二枚も上だった。

北朝鮮金正日総書記との会談で、終始にこりともしなかった当時の小泉首相の姿が思い出される。

中国:山口代表訪中…国営放送トップで報道
http://mainichi.jp/select/news/20130123k0000m030078000c.html毎日新聞 2013年01月22日 21時28分
 【北京・工藤哲】国営中国中央テレビ(CCTV)は22日、公明党山口那津男代表の訪中についてニュース番組のトップで伝え、高い関心を示した。

 山口代表は香港・フェニックステレビの取材に沖縄県尖閣諸島問題について、事実上棚上げすべきだとの考えを示しており、中国側は山口氏との一連の会談を通じ日中関係改善の糸口を模索するとみられる。また、中国側には動向をメディアに手厚く報道させることで、安倍晋三首相や日本政府をけん制する狙いがあるとみられる。


山口公明党代表訪中に高い関心 中国テレビ、トップで放送
2013.1.22 14:17 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130122/chn13012214200004-n1.htm
 中国中央テレビは22日、公明党山口那津男代表が北京を訪問し、中国要人と会談することをトップニュースで伝え、関心の高さを示した。

 山口氏が安倍晋三首相の習近平共産党総書記宛ての親書を持参していることを強調、沖縄県尖閣諸島をめぐり対立が先鋭化する日中関係の改善に向け、期待感をにじませた。

 また中央テレビは、公明党は与党の一角にあり、安倍政権に対して影響があると解説した。

 一方、22日付の中国紙、中国国防報は「山口氏が、公明党自民党の右傾化に対するブレーキ役になる責任があると発言していた」と報じた。(共同)

公明党を持ち上げる一方で

http://www.asahi.com/international/update/0126/TKY201301260154.html
中国監視船、習総書記・山口代表会談翌日も尖閣接近
 中国の海洋監視船「海監」3隻が26日、沖縄県尖閣諸島外側の接続水域を航行した。中国共産党習近平総書記が25日、公明党山口那津男代表に、日中対話へ「積極的な雰囲気をつくっていくことが大事だ」と述べたことで、安倍晋三首相の周辺は「トップがああ言った後どうなるか」と注目していたが、中国側が尖閣の領有権を主張する活動は続いている。

 第11管区海上保安本部によると、26日は海上保安庁の巡視船が領海に近づかないよう警告し、海監は「中国管轄海域を航行中」と主張した。こうした状況は昨年9月の尖閣国有化以降に常態化し、中国国家海洋局は今月10日に尖閣周辺の「パトロール」維持の方針を決定。中国側は監視船の領海侵入や航空機の領空接近を重ねている。

「核心的利益」には貪欲。


習総書記、首脳会談前向き 成果焦った公明を翻弄
2013.1.26 08:29 [尖閣諸島問題]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130126/chn13012608330004-n1.htm
 中国共産党習近平総書記が昨年11月の就任後、初めて会談する日本の政治家として公明党山口那津男代表を選んだのは、昭和47年の日中国交正常化以来の両党の長い友好関係が背景にある。「訪中を首脳会談に結びつける」と意気込んでいた山口氏の面目は辛うじて保たれたが、最終日にようやく会談が設定されるなど中国側に翻弄された。

 山口氏が沖縄県尖閣諸島を「日本固有の領土」と主張することはなく、歴史認識問題でもくぎを刺された。会談実現を焦った山口氏の訪中が逆に安倍政権の対中外交の障害となる可能性もある。

 「池田大作先生から年賀状をいただいた。とても感謝している」

 習氏は会談冒頭、テレビカメラの前で公明党支持母体の創価学会名誉会長の池田氏の名前を持ちだした。山口氏は「くれぐれもよろしくお伝えください」との池田氏の伝言を述べた。池田氏は歴代中国トップと会談するなど中国と深い結びつきがある。

 池田氏公明党創立者として、39年の結党に際し注文をつけたのが「中国との国交回復の努力」だった。実際、公明党田中角栄元首相による国交正常化に向け環境整備にあたった。それ以降、公明党・学会は、「日中友好の橋渡し」を使命とし、中国共産党との関係を重視してきた。程永華駐日大使は創価大留学生で、昨年4月に大学から名誉博士号を授与された。

 習氏は23日には韓国の朴槿恵次期大統領の特使とも会談したが、山口氏同行筋は「特使との会談は短時間で、1時間だった山口氏を厚遇した」と強調する。

 もっとも、会談が正式に決まったのは開始1時間半前。山口氏が前日までの中国要人との会談で、尖閣問題でどう発言するかを見定められていたといえる。

 会談で山口氏は「棚上げ論」に触れることはなかったが、尖閣については一歩も引かないとしている安倍晋三首相との間に溝がある印象を与えたのは間違いない。

 25日夜に帰国した山口氏は記者団に「目的は達した」と胸を張った。だが、日本側の主張を抑制することと引き換えで首脳会談が実現したとしても、そこに大きな意味はない。(北京 力武崇樹)


習・山口会談 首脳対話に必要な中国の自制(1月26日付・読売社説)
[ http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130126-OYT1T00136.htm:title= http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130126-OYT1T00136.htm]
 途絶えている日中首脳会談が再開できる環境を整えるには、日中双方の外交努力が必要だ。

 公明党の山口代表が訪中し、中国共産党習近平総書記と会談した。習総書記が昨年秋の就任後、日本の政治家と会うのは初めてだ。

 山口氏は「難局の打開には政治家同士の対話が大事だ」として、安倍首相の親書を手渡した。

 習総書記は「ハイレベル対話は重要だ。真剣に検討したい」と明言した。首脳会談の環境を整える必要があるとの認識も示した。

 中国は尖閣諸島の領有権問題での日本の譲歩を求めているのだろうが、それは認められない。むしろ中国にこそ自制を求めたい。

 昨年9月に日本が尖閣諸島を国有化した後、中国政府による日本の領海侵入は恒常化し、領空への侵犯も起きている。

 不測の事態を防ぎ、日中関係を改善するには、まず中国が威圧的な行動を控えるべきだ。

 公明党は、1972年の日中国交正常化の際、議員外交で大きな役割を果たした。今回も、溝が広がった政府間の橋渡しをしようとする意図は理解できる。

 尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。日本政府の立場を堅持することが肝要なのに、気がかりな点がある。

 山口氏が訪中前、香港のテレビ局に対し「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「棚上げ論」に言及したことだ。日中双方が自衛隊機や軍用機の尖閣諸島上空の飛行を自制することも提案した。

 山口氏は習氏らとの会談では触れなかったが、看過できない発言だ。棚上げ論は、中国の長年の主張である。ところが、中国は1992年に尖閣諸島領有を明記した領海法を制定するなど一方的に現状を変更しようとしている。

 安倍首相が「自衛隊機が入る、入らないは、私たちが決める」と山口氏の発言に不快感を示したのは当然である。

 村山元首相も、近く中国を訪れる。村山氏は、過去の侵略などへの「深い反省」を表明した村山首相談話をまとめた。村山氏から中国寄りの発言を引き出したい中国の意図が見え隠れする。

 先に訪中した鳩山元首相は、尖閣諸島を「係争地だ」と述べた。領有権問題の存在を認めたことなどから、中国の主要紙が大きく取り上げた。中国に利用されていることが分からないのだろうか。

 国益を忘れた言動は百害あって一利なしである。

(2013年1月26日01時36分 読売新聞)


尖閣棚上げ」狙う中国 親中派取り込む 日本切り崩し
2013.1.25 20:07 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130125/chn13012520090006-n1.htm
 【北京=山本勲】中国共産党習近平総書記が25日、公明党山口那津男代表の帰国直前にようやく会談に応じたことには、幾つかの狙いがある。最大の狙いは安倍政権内の親中派政党、公明党を取り込むことで「(沖縄県尖閣諸島の主権棚上げ」に向けた日本国内の世論形成だ。18日の日米外相会談で米国が尖閣問題での日本支援を鮮明にしたこともあり、これを機に習指導部は海空両面からの日本領侵犯といった従来の強硬一辺倒策から、政治工作にも重点を置いた硬軟両様の作戦への転換を進めるとみられる。

 習氏は山口代表との会談に先駆けて23日に朴槿恵韓国次期大統領特使の金武星氏と会談した。まず中韓関係の緊密ぶりを“誇示”して日本側をじらした後で、山口代表と会い、日中国交正常化交渉時に双方の橋渡し役を担った公明党に“恩を売った”。

 中国側が「尖閣の主権棚上げ支持派」とみなしている公明党を取り込むことを突破口に、日本国内で棚上げ論を広げ、「日中間に領土問題は存在しない」とする安倍政権への包囲網を形成しようとの狙いがありそうだ。

 続いて中国は28日から31日までの予定で村山富市元首相や加藤紘一自民党幹事長を招くが、政界、経済界など日本各界を巻き込んだ招待攻勢が今後活発化するとみられる。

 これまで対日強硬姿勢一辺倒だった習氏の軌道修正には、クリントン国務長官尖閣諸島をめぐって「日本の施政権を害そうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と対中警告を発したことが大きく影響していそうだ。

 中国は先月13日、尖閣諸島周辺の領空を侵犯。領海侵犯は続いているが、13日以後は領空侵犯はしていない。

 習氏はかねて「反ファシスト戦争の戦勝国である中米が連携して日本に厳しく対処する」よう呼びかけてきた。日中間の偶発的な軍事衝突が米軍の介入を招いては元も子もなくなる。こうした最悪の事態を防ぐためにも、戦術転換が必要だった。

 また元来、中国外交は他国との問題が発生した場合に、まず強硬姿勢を示して相手の譲歩を促しながら徐々に“落としどころ(合意点)”を探る方法をとる。その意味では今回の習氏の対応も従来の方式の繰り返しと言える。

住友化学出身の現経団連会長が、対中国で迷走が多いことが気になりますね。
民主党が推した伊藤忠出身の駐中大使は論外だったし。
次期会長には誰がなるのか。  

尖閣棚上げ支援を 米紙、オバマ政権に促す
2013.1.26 17:27 [米国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130126/amr13012617280007-n1.htm
 26日付の米有力紙ワシントン・ポストは社説で、沖縄県尖閣諸島をめぐる日本と中国の対立を取り上げ、米国が軍事衝突に巻き込まれる可能性を指摘、2月の安倍晋三首相の訪米を念頭に、オバマ政権の支援で「尖閣問題を棚上げ状態に戻す」ことが望ましいと訴えた。

 同紙は領有権の主張を「数十年間棚上げしてきた」中国が、昨年の日本政府による尖閣国有化で「扇動行為の口実を得た」と経緯を説明。

 領海や領空侵犯を繰り返す中国の「挑発的で危険な行動」を批判的に伝えた。

 また尖閣日米安保条約の適用対象と公言することにより、中国の抑止を狙った米政府がリスクも抱え込んだと分析。有事に至れば、オバマ大統領は日本を軍事支援するかどうかの「選択を迫られかねない」と警鐘を鳴らした。(共同)

ワシントン・ポストには、まだ「歴史的にも国際法上も尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」という主張が浸透していないようで…。

アメリカ・クリントン国務長官、「日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と明言について。

 【ワシントン=二階堂勇】岸田文雄外相は18日午後(日本時間19日未明)、米国務省クリントン国務長官と会談した。両氏は日米同盟強化が重要との認識で一致。安倍晋三首相が2月17日の週に訪米し、会談することで合意した。クリントン氏は沖縄県尖閣諸島の問題で中国を念頭に、日本の施政権を損なう行為に「反対」を明言した。

 岸田氏は安倍政権の外交方針について「日米同盟は日本外交の基軸だ」と強調。防衛費増額や防衛大綱見直しを説明し、「アジア太平洋地域の平和と安定のため我が国も責任を果たす。防衛力を強化しつつ、日米の防衛協力を進める」と語った。

 アルジェリアでの人質事件についてクリントン氏は「この残虐な攻撃で危険にさらされている方々のことを大変懸念する。罪のない人の命を守るため慎重に対応すべきだ」と指摘。岸田氏は「テロを決して許容しない」と述べた。両氏は人命を最優先させ、情報収集など日米間で緊密に連携していくことを確認した。

 尖閣問題で岸田氏は「尖閣の領有権は譲歩しない」と表明。クリントン氏は「論争を平和的な手段で解決するよう促したい」と日中両国に冷静な対応を求めた。そのうえで日米安保条約に基づく米国の防衛義務を認め、「日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為にも反対する」と明言。岸田氏は「高く評価する」と語った。米政府が尖閣をめぐる他国の行為に具体的に言及したのは初めて。周辺の領海や領空の侵犯を重ねる中国を牽制(けんせい)する狙いだ。