自民党総裁選、谷垣無念。

谷垣総裁が立候補を断念しました。まあ、「らしい」よね。支持候補は明言せず。

前の記事で谷垣総裁の最近の政局の対応について批判したのですが、縁もあるし今回の記事では少しフォローします。

まあ、選挙に勝つという政党の目標からいえば、少なくとも任期中は文句なしでしょう。2010年参院選勝利をもって、総裁続投というのが本来順当なところ。そこへ今まで黙っていた人が「首相のにおいがしてきたら雨後の竹の子のように次々と手を挙げる(伊吹文明氏)」という憂き目にあった。運が悪かったということでしょう。本来ならとっくに民主党は倒閣されているはずなのに、衆院多数を守らんがためにかたくなに解散しない。まあ麻生自民党で自らがやったことをやられているだけなんだけど(むろん国益への貢献度は違う)。

下野後、3年の任期中に、「そもそも参院選で勝利したら、政権をとるまで突っ走れるのか」という根本的な問題がある。首相に問責をちらつかせても首を変えられ、不信任を出しても土壇場で菅の「近いうち退陣」で小沢が乗って来ず(結局この判断が、小沢自身にとっても最後のチャンスだったわけだが)、最後に自民党野田派を相手にすることになり、差別化が図れない。防衛大臣の人事ミスがあっても大して叩かれず、最後には元自衛官の専門家にすがりつく始末。

国のことを考えずに、何が何でも倒す、ということだったら、安倍・福田政権で小沢代表がやった「ひたすら審議拒否。議論はしない。与党が悪い」という、テレビ動員売国我欲暴走路線に走ればよかったわけだが、節度ある自民党はもちろんそんなことはできず。国を売らなかったがために続投できなかったとでもいいましょうか。自民党の行き過ぎは、馬淵大臣に対する問責ぐらいじゃないの。

職場放棄する(審議に応じない)癖に自民党の首相交代を「たらいまわし」とさんざん批判した連中が、民主党たらいまわしにはだんまりですからね。「官邸デモは民意だ!ミンイに従え!」とかもっと意味不明なことをいう人もいますが、ほとんど相手にされていない。


谷垣総裁立候補断念の報を最初に知った時、真っ先に河野洋平が浮かびました。自民党総裁で総理大臣になれなかった2人目の男になりそうですね…。


谷垣降ろしに関わったのが、森、古賀、青木、と聞いて、10年前とまったく変わってない。森は既に引退宣言、青木に至ってはもうただのおじいさんじゃん。


宏池会はまた分裂するのか。甚だ情けない。地に堕ちたな。